ライフ オア デスティニー
闇の中へ……
「ここ……そーよ、考えたらあたし、勇者と一緒に天へ舞い戻る夢があったんだわ。今がチャンスなのよ。この下に彼はいる……はず」
エラルドが乱心して彼女を闇地獄へ叩き落としたのでなければ、だが。
「その手はずのはずよねェ、エラルド……でもやっぱり、いや~っ」
音はかき消され、自分の悲鳴も当人に聞こえはしない。彼女は恐怖に身を縮めた。
チカ、と光が闇の底から彼女に語りかけるように瞬いた。それはちいさな光だったが、それだけでもう、充分だった。