ライフ オア デスティニー



 ゴルドンはエヴが唯一苦労を共にした落天天使、もしくは能力はあっても戦えない天使とも言う。

 彼はエヴの信頼を寄せる力強い味方だ。彼は単身日蝕前に地獄界へ赴き、ほとんどの状況を把握していた。そして彼は彼女の言葉に苦笑はしたが、否定はしなかった。

 彼女はその笑みを彼独特の「照れ」であると解釈した。でなければエヴの言うことなどしゃらくさい、と思ったのかもしれない。
 
 何とも読み辛い、ミステリアスな付き人である。



「ん~と」



 音にならない独り言を言ってから、エヴはゴルドンに話しかける。



「例の彼は?」



 そう、それである。






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