JEWEL BIRD【 side track line 】
 
 少年は少女と同じように、しゃがんで視線を合わせると、コクリと頷く。

「 わかるよ? 」
「 それって、英語じゃないよね? 」
 少年は、自らの発っした言葉がどこの言語であるのかも知らない様子だ。
 そんな彼を信頼したのか、女の子は一度鼻をすすってから泣き止み、話し始めた。

「 お母さんって言うのは日本語 」

「 日本人が使う言葉なの 」
 それを聞いた少年は、嬉しかったのか笑顔を作って立ち上がる。

「 そうか、日本語なんだ 」

「 僕の使っている言葉! 」
 少女へと手を差し延べた少年は、そう叫んだ。
 
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