JEWEL BIRD【 side track line 】

 ディートが軍曹に昇進し、正式な車長を任ぜられた頃。
 彼の部下であった当時伍長のヘイルトンが語る。

「 ディート軍曹は、紛争の意味に悩んでいたらしい 」
「 イスラム原理主義勢力とチェチェンの独立派に、アラブの資金が流入してソビエト連邦の時代から支配していたロシア連邦からの離脱を目指した独立紛争って面がある 」

「 大国は領土の維持に武力を使い、彼等独立派勢力はテロも含めた市街戦を展開して、歯止めが効かない状況だった 」
「 ディート軍曹は、何を以って是か非かを思い悩んでいたんだろうね 」

「 大国ロシアがテロに悩むのと同じく、米本土のテロも枚挙に暇が無いばかりに、共同歩調の道をとった両国は、独立を望むチェチェン共和国の人民をも含めて攻撃したんだ 」
 
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