JEWEL BIRD【 side track line 】

　靴を脱ぎ、噴水の端に在る段差へと腰掛けた二人は、何故か笑顔で笑い合った。
　それから、おもむろに少年は自らの背中を探り始め、ｼｬｰﾘｨへと手にした物を自慢げに見せる。

　彼女が目にした物は、一つの財布であった。
　呆れ顔の彼女は、少年に語り掛ける。

「それって、さっきの "おじさん" の財布かな？」
　ｼｬｰﾘｨの言葉を理解できていない様子の少年は、首を傾げ(ｶｼｹﾞ)るも頷き(ｳﾅｽﾞｷ)応えると、太陽の光を受け、金色に輝く少年の髪の毛から、ぽたぽたと水が滴り落ちた。
　彼女は少年の顔を　しかと見詰める。