才能に目覚めた少年
「あれは嘘だ。
この世界は素晴らしいとは思わない」





「…」





「私の生きてきた六十八年の人生で一度もこの世界が素晴らしいなんて思ったことがないんだ」





僕は今の状況の整理する時間が必要だ。






森下先生の能力が『憑依』で椿十郎の身体を借りて『R』のボスをやっていた。





そして、『W』の幹部でもあった。










でも、なんで僕が見えたんだ…



「先生、なんで僕が部屋にいるってわかったんですか」



「簡単なことだ。
扉が勝手に開くわけないだろ」



言われてみればそうだ…



「それに神山君がここに来ることは予想がついていたね」



「どうしてですか」





「これは神山君のために起こした犯行なんだ」









「何を言っているんだ…」






「計画は順調だった。
伊藤君がここに来てくれれば神山君も来ると計算していたからね」





「どうして、伊藤が来るって…」







「計画では、メディアを通して呼びだそうとしたんだ。
だが、計算外のことが起きた。
彼は自らここに来たんだ」
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