才能に目覚めた少年
教室に戻ると綾瀬先生がクラスの皆に連絡事項を話していた。




伊藤と辻本、ナナミは学校に来ていた。





山本は席に座っていた。




僕は先生を見ないようにして席に座った。








連絡事項を終えたらしく、綾瀬先生が僕の名前を呼んだ。






ぼくは「はい」と答えると、「今日の掃除当番は神山君一人にお願いするわ」と言った。





クラスの何人かが喜んでいるが、僕は喜ばない。








山本の名前が呼ばれなかったことが不思議に思った。









昼休みに、辻本に朝の山本のことを聞いたが来た時には机で寝ていたそうだ。




たぶん、山本は能力を使っていたのだろう。








放課後になり、クラスの皆は教室から消えた。



僕だけが教室に残った。



僕は一人箒を持ち、掃除をした。



大体掃除が終わり、あとは机を並べるところで一休みした。



僕は校庭を見た。



ちょうど陸上部が走っていた。







良く見ると中に山本がいた。




僕は初めて山本が走っている姿を見た。


誰よりも早く、走る姿が眩しかった。







そのとき、「ミコト」と名前を呼ばれた。





僕はすぐに後ろを振り返った。








伊藤だった。
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