才能に目覚めた少年
「この前のミコトの能力値が十一でも、今日だったら上がってるかもしれないぞ」



「ありがたいことだけど、上がってるとは思えない」



僕はその場を逃げたいと思った。



「そうか、ミコトも早く才能に目覚めればいいのにな…」



伊藤は僕の目を見た。



彼からすれば僕はどう映っているのだろう。



「それじゃあ、僕帰るから」



僕は手を振ってから教室を出た。



辻本と伊藤も僕が教室を出るまで手を振り続けていた。





教室から出ると、空を飛んでいる人や水を自在に操っている人など能力で遊んでいる人が沢山いた。







僕はなるべく見ないようにして下駄箱まで走った。
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