才能に目覚めた少年
「それは一言では言えないことだよ。
ある人は素晴らしいものだというが、他の人はそうではないという。
しかし、君が言った『人としての価値を象徴するのが才能』のように世界は動いている」






「僕が聞きたいのはほかの人の意見じゃなく、森下先生の意見です」







「私は今の世界が素晴らしいと考えている」






「どうしてですか」





「今生きていることを幸せに思うからだ」





僕はそれ以上質問することができなかった。



その後は森下先生に借りている腕時計を見せて病院を出た。






帰り道、僕は空を眺めながら徒歩で帰宅した。






夕焼けがきれいだった。
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