才能に目覚めた少年
僕は椅子に座った。



「先生、今日は調子が悪いんですか」


僕は気味が悪いので質問した。




「ちょっと、気になることがあってね」


「そうですか」


僕は森下先生の机を見た。



雑誌が一冊置いてあった。


表紙に小さいが『C』と書かれていた。


僕は見ていないことにした。






「最近、学生団体が世間で注目されていることは知っているよね」


「はい」


嘘をつかない方がいいと思った。


「君は『C』っていう団体知ってるよね」


「はい」


「私はね、昨日ムトウさんの演説に行ったんだ」









僕は全て悟った。


これから森下先生が話す内容は『C』で活動している僕のことだと。




「ムトウさんとは昔から知り合いでね。
久々に会いに行ったら。
『C』がいたんだ。
彼らはすごいよね。
学生なのに世界と戦おうとしている」



「そうですね」




僕が組織に関わっていることは僕の口からは言わないようにした。





「神山君、昨日の午後どこにいたか教えてくれない」




嘘をつこうと思えばつける。



でも、森下先生は昨日のことを知っているだろう。




「ムトウさんの演説を見に行きました」


「そうか、活動のほうは順調なの」


「はい」


「大変か」


「はい、でも友達がほとんどやるので僕は手伝いをしているだけです」


「そうか」










しばらく沈黙が続いた。


僕は森下先生を見ていた。


まだ机の方を見ていた。









「神山君はこれからも活動を続けていくの」
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