才能に目覚めた少年
それは僕にもわからない質問だ。


今は成り行きで参加しているのであって、続けていくのかはわからない。


先生が僕の方へ顔を向けた。






「僕にもわかりません」




先生は僕の目をジッと見つめていた。



僕は眼を逸らした。



「神山君、君のやっていることはすごく危険なことだよ。わかっているよね」



「はい」


それは参加をする前からわかっていたことだ。


森下先生に言われなくても理解はしていた。





「なら話は早い。神山君の能力について話がある」


「活動のことと能力のことは関係ないと思います」


「いいや、神山君。活動をするのなら自分の能力が必要になるときが来るはずだ」


僕は帰ろうと思った。


僕は能力を使うつもりもないし、興味もないからだ。


「僕、帰ります」


僕は席を立ち、僕は森下先生にお辞儀をしてその場を離れた。


ドアの前でもう一度先生を見て「ありがとうございました」と言い、部屋を出ようとしたときだった。











「『藤沢ナナミ』、彼女とはどういった付き合いなんだ」
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