才能に目覚めた少年
僕は森下先生の言っていることがよくわからない。
『自己再生』能力のことしか森下先生に言われたことがないので突然、多才能力者と言われても実感がない。
「先生、どういうことですか」
「正直に言うが、昨日まではただ『自己再生』能力の練習をしてもらうためにいつも病院で能力のことを話そうとした。
神山君が多才能力者だということは話すつもりはなかった。
だが、神山君が『C』で活動するのならば必要な能力だと思って話した」
「どうして、今まで隠していたんですか」
「それは神山君、君に問題があるからだ」
「君の能力値は測定できないんだ」
何を言っているのだろう。
僕の最大値は三十だと言ってたじゃないか。
「神山君に渡した腕時計は能力値測定をすることが目的のものではないんだ。そもそもあれは無能者用の腕時計だ」
「何を言ってるんですか。なら、なんで測定値が表示されているんですか」
「あれは無能者用の腕時計で能力値を零にするようにするものだ。それでも測定されてしまうのは神山君に問題があるんだ」
「僕に問題が…」
「無能者用の装置を付けることで、世界第一位の記録を持つ能力値八十五の者でも能力値が零になるんだ。
要するに、能力が使用できない状態になるんだ。
測定はその証明をするためのオプションなんだ。
ところが神山君に付けると能力値が測定されてしまう」
僕はただ聴くしかできなかった。
「神山君の持つ才能『自己再生』は本当だ。
君の持つ能力の一つだ。
使用するには先ほど言った練習をしないと使用してはいけない。
下手をすれば死んでしまう。
だが、ここにも問題がある。
神山君、君は『自己再生』能力を今まで使ったことがあるか」
「ありません」
「どうしてだい」
「使いたくないからです」
「いいや、違うだろ。使い方がわからないからだ」
『自己再生』能力のことしか森下先生に言われたことがないので突然、多才能力者と言われても実感がない。
「先生、どういうことですか」
「正直に言うが、昨日まではただ『自己再生』能力の練習をしてもらうためにいつも病院で能力のことを話そうとした。
神山君が多才能力者だということは話すつもりはなかった。
だが、神山君が『C』で活動するのならば必要な能力だと思って話した」
「どうして、今まで隠していたんですか」
「それは神山君、君に問題があるからだ」
「君の能力値は測定できないんだ」
何を言っているのだろう。
僕の最大値は三十だと言ってたじゃないか。
「神山君に渡した腕時計は能力値測定をすることが目的のものではないんだ。そもそもあれは無能者用の腕時計だ」
「何を言ってるんですか。なら、なんで測定値が表示されているんですか」
「あれは無能者用の腕時計で能力値を零にするようにするものだ。それでも測定されてしまうのは神山君に問題があるんだ」
「僕に問題が…」
「無能者用の装置を付けることで、世界第一位の記録を持つ能力値八十五の者でも能力値が零になるんだ。
要するに、能力が使用できない状態になるんだ。
測定はその証明をするためのオプションなんだ。
ところが神山君に付けると能力値が測定されてしまう」
僕はただ聴くしかできなかった。
「神山君の持つ才能『自己再生』は本当だ。
君の持つ能力の一つだ。
使用するには先ほど言った練習をしないと使用してはいけない。
下手をすれば死んでしまう。
だが、ここにも問題がある。
神山君、君は『自己再生』能力を今まで使ったことがあるか」
「ありません」
「どうしてだい」
「使いたくないからです」
「いいや、違うだろ。使い方がわからないからだ」