才能に目覚めた少年
伊藤は了承して僕たちはこの日行われるだろうとされる場所まで移動した。


僕たちは顔が見られないように変装して会場に行く。





僕たちが初めて活動をしたときの対象者であったサカイさんがいた。


サカイさんが演説している最中は何も起こらなかった。


終わると一人の若者が銃を持ってサカイに質問した。


会場中、騒ぎになった。


山本の話では活動で銃を使ったことは一度もないらしい。


ようするに、山本が見た銃はちょうど入荷したばかりで、僕たちが行った日がたまたま初の使用日だったのだ。


偶然とは恐ろしいと思った。





「我々は『R』だ。我々の質問に答えてほしい。
サカイさん。
あんたは世界をどうするつもりだ」




サカイは震えている。


答えられないだろう。






「酷いな…」






小さい声だが伊藤がつぶやいた。






会場中がパニックになり、観客が逃げていく。


僕たちも紛れて逃げようとした。



そのとき、





パンッ…






銃の音が聞こえた。



僕たちは振り返った。



サカイさんは打たれていない。



『R』の人が打たれていた。





誰が打ったんだ。
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