傷跡
『俺さ…ちょっとここ何ヶ月かずっとおかしかったじゃん?杏奈に八つ当たりしたりしてさ。さっき言っただろ?母親から手紙きて富山に行ってきたって』
『うん…』
光輝は確かにずっと変だった。
ここ数ヶ月、一日中話さないままの日があったり、何かあればウルサイ、ダマレの言葉だけ。
酔い潰れて店に泊まって帰ってこなかったり、
あたしが初めて家を出た時も…
連絡もないままだった。
いつも二人で寝てたベッドで…他の女と浮気もされた。
ずっと…喧嘩ばっかりだった。
『ずっと考えてたんだ。母親に会うかどうしようか。でも杏奈にも言えないままだったし昔の話も今日まで話してなかったじゃん?だから何も言えなくて。でも今更になって会いたいとか手紙送られてきたことを毎日考えてると気が狂いそうでイライラがおさまらなくて』
光輝のお母さんは、今になって何故か会いたいと連絡をしてきて。
何の理由があって手紙を書いてきたのかは光輝も分からなかったんだ。