傷跡


『だから杏奈になら過去のことを話せるかもしれないって考えるようになってた。手紙のこともどうしたらいいか一緒に考えてもらおうって。でも…散々一人で考えて…家に帰ったら杏奈はいなくなってたんだ。俺が悪かったんだけど…やっぱり杏奈も俺から離れて行っちゃったのかと思って』?




あたしはその時…

自分に限界を感じて初めて家を出て行ったんだ。



光輝が迎えに来てくれるのを信じて。




でも光輝は一週間待っても迎えには来なかった。

電話さえもなかった。


だから帰ったんだ。


自分から家に戻ったの。




そしたら…


部屋には…女がいたんだよね。





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