傷跡
『俺のためにメシ作ってくれたのに…あの時あんなことしてごめん。他の女と…あんなことしてごめん。今まで過去のこと…ずっと隠しててごめん。とにかく本当に…ごめんなさい』
そうやって…ずっと光輝は謝りっぱなしだった。
『もういいよ。許せないけど…あたしは光輝のこと信じてるから。なんかね、ずっと思ってたことが今日やっと分かった気がしたの。ほんとの光輝の姿が見えた気がしたから…。だから光輝はもう一人じゃないよ。あたしは光輝のこと、大好きなんだから』
消えない悲しい記憶も。
抱えてきた苦しみも。
これからは少しでいいから…あたしに分けてね。
あたしは光輝に…
楽しい記憶や…
輝く思い出を…
その分
たくさんたくさんプレゼントするからさ。