傷跡


『俺のためにメシ作ってくれたのに…あの時あんなことしてごめん。他の女と…あんなことしてごめん。今まで過去のこと…ずっと隠しててごめん。とにかく本当に…ごめんなさい』




そうやって…ずっと光輝は謝りっぱなしだった。




『もういいよ。許せないけど…あたしは光輝のこと信じてるから。なんかね、ずっと思ってたことが今日やっと分かった気がしたの。ほんとの光輝の姿が見えた気がしたから…。だから光輝はもう一人じゃないよ。あたしは光輝のこと、大好きなんだから』






消えない悲しい記憶も。


抱えてきた苦しみも。




これからは少しでいいから…あたしに分けてね。





あたしは光輝に…




楽しい記憶や…



輝く思い出を…



その分

たくさんたくさんプレゼントするからさ。




< 113 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop