傷跡
『なんでじゃないでしょ新しい布団を買いに行くの。あんなサイテーなことした布団で寝たくないし』
『あっ…』
どういう意味だったのかを理解したらしい光輝は、苦笑いをしながらそう呟いていた。
あの派手な…香水くさい女が寝たような布団。
そんな布団、あたしは一刻も早く捨てたかったんだ。
そして……
帰りに無事新しい布団を買ったあたし達は、家に帰るとバタバタと動き回りながら古い布団と新しい布団を交換して。
買ったばかりのふかふかの布団に変わったベッドの上で二人でゴロンと横になった。
なんか隣に光輝がいるだけで…
なんだかすごく安心できて。
こんなにも…
優しい気持ちになれる。
ねぇ光輝。
また、ゼロから始めよう。
また始めから、二人でやり直そうね。