傷跡



そんなことをぼーっと考えながら、あたしは光輝と新宿の街を歩いていた。




と、その時――――



『うわー、客だ。杏奈ゴメン、ちょっと先歩いてて』




光輝がそう言いながら見つめた視線の先には、金髪のヤンキーみたいな女の子がいて。



あたしは言われるがままにすぐに光輝から離れて先に歩いた。




こんなことは初めてじゃなくて。



前から何度もあるから。





だから…



慣れてるんだ。




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