傷跡
『初めまして!』
ソファーに腰をおろしてすぐ、そう言って向かい側に座った人が、あたしに名刺を差し出した。
代表…取締役?
美神 地球…?
『ちきゅ…うサンですか?』
『アハハハッ!ちきゅう?そうだね、普通に読むとね』
そう言ってその人は大笑いしたあと、また話を始めた。
『俺は代表のアース。地球って英語でE、a、r、t、hでアースって言うだろ?』
そう説明してくれた代表のアースさんは、座った途端にマシンガントークが炸裂だった。
『杏奈ちゃんだっけ?よく光輝が話してるよ。僕の彼女は可愛いんっすって。こいつ今めちゃくちゃ頑張っててさ。今月ナンバー4ぐらいいくんじゃないかな?』
『えーっ♪光輝凄いじゃん。頑張ってるんだね〜』
嬉しかった。
ナンバー入りできる光輝をあたしは素直に喜んで讃えた。
でも…内心は違ってたんだ。