傷跡
『光輝とは付き合って長いんでしょ?どれくらいなの?』
『あー…もうすぐ二年半になります』
『ふーん。でもさぁ、よく光輝が許したよね、杏奈が水商売すること』
勇二君はそう言ってあたしをジッと見ていた。
『あぁ…光輝は嫌がってたんですけど、あたしが無理矢理頼んで』
『でも普通仕事なんかしたくなくない?家にいて光輝から生活費もらえてたんならそっちのほうが絶対ラクなはずじゃん』
『ま、まぁ…そうなんですけど…。なんか同じ環境にいたいなぁと思ったんです』
『それってどういう意味?』
勇二くんは不思議そうな顔で、またあたしにそう聞いてきた。