傷跡



『で、初仕事どーだったんだ?疲れただろ?続けたくなかったら続けなくていいんだよ。俺が言っておくし』


『え、仕事は楽しかったよ。意外とあんなもんなんだぁって感じで。全然続けられそうだよ』

『ふーん……。つーか勇二男前だったろ?絶対あいつとだけは浮気すんなよ』


『バッカじゃない?するわけないじゃん』




光輝の友達なんだよ。

それにお店の代表さんなのに。


そんなことあるわけないじゃん。




『まぁ明日は休みだしゆっくり寝ろ』




光輝はそう言うと、あたしの隣にゴロンと横になると、五分もたたないうちに先にイビキをかきながら眠ってしまっていた。





疲れてるんだろうなぁ…。



少し分かったような気がした。



夜の仕事って、それなりに稼げるけど。


頭や体の中をフル回転させてる。


飲んで喋って飲んで喋って。


ストレスも貯まるんだろうなぁって。





胃も肝臓も腎臓も。


普通は寝ている時に休ませる内臓器なのに、お酒を飲んで寝るせいで、寝ている間も体は休むことなく働いてる。


そんな生活をしていて体を悪くしないほうがおかしいもんね。



高いお金をもらえる分、命を削ってると言っても過言じゃないのかもしれない。



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