傷跡



次に目を覚ましたのは夕方の4時だった。



二日酔いでガンガンする頭を押さえながら、冷蔵庫から水を出すと、それを一気に喉へと流しこんだ。



慣れないお酒は、思っていたよりも抜けるのが遅くてしんどかったような気がする。




『まぁ店やめたくなったらいつでも言えよ。すぐに言ってやるから』




光輝は、出勤前にあたしにそう言うと、いつものように仕事に出かけていった。



考えてみれば、あたしが水商売を始めた頃、光輝は一ヶ月ほどずっとそう言ってきてた。



きっと光輝は…

早くやめてほしいと思っていたのかな。



でも、月、水、金。


あたしは週三回の出勤を続けていた。




光輝もたまに、お店に飲みに来てくれたりもした。



あたしは入店してからはナンバーワンのルイと仲良くなっていき、仕事もなんだか楽しくっていってたんだ。



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