傷跡



『失礼しまーす♪はじめましてぇ♪』



その時、ルイの明るい声が、あたし達が座るボックス席へと飛び込んできた。




『ルイー♪』


『杏奈ごめんね、なかなか付けなくて。あっ彼氏さん…コウキさんでしたよね?初めましてルイです。杏奈にはお店で仲良くしてもらってます』




ルイがそう言ってふと顔を光輝に向けた時、ルイは何故か…

ジーッと光輝の顔を見つめていた。



光輝は…
そんなルイを不思議そうな顔で見ていた。




『ん?どしたの?なんか超静かな空気になってるじゃん。あっ、初めましてだから緊張してる?』


『あぁ……うん』




あたしがルイにそう言うと、光輝を見つめていた瞳がやっとあたしへと向けられた。



< 152 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop