傷跡
『失礼しまーす♪はじめましてぇ♪』
その時、ルイの明るい声が、あたし達が座るボックス席へと飛び込んできた。
『ルイー♪』
『杏奈ごめんね、なかなか付けなくて。あっ彼氏さん…コウキさんでしたよね?初めましてルイです。杏奈にはお店で仲良くしてもらってます』
ルイがそう言ってふと顔を光輝に向けた時、ルイは何故か…
ジーッと光輝の顔を見つめていた。
光輝は…
そんなルイを不思議そうな顔で見ていた。
『ん?どしたの?なんか超静かな空気になってるじゃん。あっ、初めましてだから緊張してる?』
『あぁ……うん』
あたしがルイにそう言うと、光輝を見つめていた瞳がやっとあたしへと向けられた。