傷跡
もう…お店辞めようかな…。
そう思う自分もいるのに。
でも…
それでも辞めなかったのは、ルイの存在があったからだった。
監視ってほど大袈裟なもんじゃないけど。
あたしが光輝と同じ街にいなくなると…なんか不安でたまらなくなってしまうような気がしたから。
そして、あれ以来お互いライバル心を抱いていたあたし達は、SEASONでも火花を散らしてた。
ルイはすぐに周りを味方につけて。
他の女の子達にありもしない話を吹き込んだりあたしが嫌われるようなことを話したりしてたみたいで。
そんな話を聞いたお店の子達は、訳もなくあたしを無視するようになり、あたしのお客さんのヘルプに着いてくれた時は、お客さんにまで悪い噂を吹き込むようになっていった
そんな噂のせいか、お客さんはいきなり来なくなってしまったり減っていったりして。
でもあたし気にしないようにしてたんだ。
ちゃんと仕事さえしていれば、新しい指名は入るし、新規のお客さんはできる。
だからそんな嘘を信じて離れていくようなお客さんなら初めっからいらないと思ったの。