傷跡


『なんだよ俺の知らないことって』


『いい。もういいよ…何を言っても一緒だから。もういい、どうでも』





本当にどうでもいいと思ったんだ。


こんなわからずやに何を言っても一緒だって…そう思ったの。





『何で分かんねーんだよ…』




そんなあたしに、光輝は呆れたようにそう呟いていた。



『分かってないのは光輝のほうじゃん。お金が大事?ナンバーワンが大事?お客さんが大事?ルイが大事?あたしよりも…そういうことのほうが大事なんでしょ?だったらもう…勝手にしなよ!』




あたしは叫ぶようにそう言うと…

勢いよくお店を飛び出していた…。



やっちゃった…。



お店の中には…たくさんお客さんがいたのに…。



情けなくて…自分が恥ずかしくなっていく。




『アン!!』




< 198 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop