傷跡
『なんだよ俺の知らないことって』
『いい。もういいよ…何を言っても一緒だから。もういい、どうでも』
本当にどうでもいいと思ったんだ。
こんなわからずやに何を言っても一緒だって…そう思ったの。
『何で分かんねーんだよ…』
そんなあたしに、光輝は呆れたようにそう呟いていた。
『分かってないのは光輝のほうじゃん。お金が大事?ナンバーワンが大事?お客さんが大事?ルイが大事?あたしよりも…そういうことのほうが大事なんでしょ?だったらもう…勝手にしなよ!』
あたしは叫ぶようにそう言うと…
勢いよくお店を飛び出していた…。
やっちゃった…。
お店の中には…たくさんお客さんがいたのに…。
情けなくて…自分が恥ずかしくなっていく。
『アン!!』