傷跡
悪い予感
その夜―――
またいつものようにホテルでお泊りしていると、光輝が言ってくれた。
『一年目の記念日きたら一緒に住もっか』
あたしは光輝の突然のそんな言葉に、一瞬で頭がいっぱいになっていった。
一緒に住もっかって…?
光輝とあたしが?
二人で?
嬉しさと喜びでいっぱいになっていく。
『あと四ヵ月ガマンしてろよ。今金もためてるし。あ、一緒に住んだら毎日飯作ってほしいなぁ。アースさんの彼女めちゃくちゃ飯うまいんだ』
『彼女…?』
『あれ?言ってなかった?アースさんの彼女も最近一緒に住み始めたんだ』
全然…知らなかった。
ってことは、毎日生活してる場に女がいるんだ…?
いくらアースさんの彼女とはいえ、少し嫌な気分になった。
でも四ヵ月。
あともう少し頑張ろう。
そうすればきっと今みたいな不安からも開放される。
でも―――
私のそんな不安は、予想外の展開を引き起こす種になってしまったんだ。