傷跡
『だったら言わせてもらうけど』
『なんだよ』
『確かにお前の言う通り…偶然通ったんじゃねーよ。アンが心配だったから…ここでずっと待ってた。だいたいお前がちゃんとしてねーから…ずっとアンはしんどい思いしてたんだぞ?』
『はぁ?どういう意味だよ?つーか俺達の話に勇二は関係ないだろーが!』
二人は…今にもつかみ合いになりそうな雰囲気で。
あたしはなんだか怖くなっていった。
『じゃあお前知ってんのか?アンが店でずっと嫌がらせされてたこと。ルイのせいで…ずっと嫌な思いをしてたこと』
『もういいよ勇二くん…』
『あ?もういいよじゃねーよ!なんなんだよ嫌がらせって』
必死で勇二くんを止めるあたしに、光輝はそう言って勇二くんに詰め寄っていく。
『ルイに決まってるじゃん。店の女味方につけて…サイトで嫌がらせして…。アンの客にもセコいやり方で噂流したり…。それでもさ、お前にも誰にも何も言わずに……アンはずっと我慢してたんだぞ?』