傷跡
目指したもの
『そっか…。まぁ光輝も距離を置いて落ち着いて考えたら分かるかもしれないしな。でもさ…とりあえずルイをぎゃふんと言わせたくね?仕返しって言ったら大袈裟かもしんねーけど』
『えっ?何かいい方法があるんの』
『アンが頑張ってルイを抜いて、SEASONのナンバーワンになっちゃえばいいんだよ。俺はアンにはできると思ってるしずっとそうなってほしいと思ってた』
『あたし…がナンバーワン?』
『そう。ナンバーワン』
勇二くんにそう言われたあたしは、ジッと黙りこんで考えた。
これってある意味…
ルイとあたしの女の戦いみたいなものなのかもしれない。
光輝は関係なく二の次として…
女として…
ホステスとしてルイに勝ちたい。
勝って…
あたしがトップに立ってやりたい。
無理かもしれないけど。
でも何故かこの時のあたしは…
負ける気なんてしなかったの。
絶対1番になって、ルイを見返したい。
あんな中身の腐ったホステスなんて…絶対抜いてやる…
そう考えていくうちに、あたしの中の何かがパッと弾けた。