傷跡
亜美…って誰…
家に遊びに…って何?
この瞬間―――
いつもは穏やかなあたしの中の何かがプッツンと切れた。
『起きろよ!』
寝ていた光輝を怒鳴りつけ…ベッドに手紙を投げ付けた。
『ど…した?杏奈も一緒に寝よぉ』
半分寝ぼけたままの光輝は、キレているあたしに気付かないままそう言ってきた。
『亜美って誰』
『えっ?な…にが…』
『亜美って誰かって聞いてんだよ!!』
狂ったように大きな声を張り上げたあたしに、驚いた顔をしながら光輝は跳び起きていた。
そして、投げ付けた手紙を見るとだんだん顔が青ざめていくのが分かった。