傷跡

『何のこと？訳わかんないんだけど』


『え？訳わかんないのは俺の方だし。だって付き合ってるって聞いて…』





何故かあたしには、状況がすぐに理解できていった。



きっと光輝は…


ルイの言葉に、ルイの策略に…はめられてる。



ルイは多分…光輝にそんなデマを話して…光輝はそれを疑いもせずに、その話をずっと信じてたんだ。





『ちょっと待って。光輝はさ、そんなのありえると思ってるの？』


『えっ？違うの？』






目を丸くして驚く光輝は…

あたしのそんな問いかけに、なんだか困っているように見えた。





『まぁどーせルイに吹き込まれたんでしょ？』


『あぁ………まぁ、そうだけど…』