傷跡



『ごめん…。俺、お前の気持ち考えずに売上売上でさ。ナンバーワンで居続けたい一心でずっと頭がいっぱいだったんだ。だから…』


『だから?』






そっと光輝から体を離し、あたしは真っすぐ光輝の目を見つめた。






『だから……ルイと付き合ってたっつーか…色恋営業っつーか。付き合ってるって思わせてずっと店に通ってもらってたんだ』


『…さ………最低じゃん…光輝…本気で言ってんの?』





なんか信じられなくて。


表しようがない感情で胸がいっぱいになっていく。





光輝は、好意を寄せてきていたルイの気持ちを利用して。


自分の立場だけしか考えずに…


上辺だけの彼氏を演じていたってことだよね?





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