傷跡



『でもこれだけは天に誓う。ルイとは形上は付き合ってたけど一切なにもなかったから。っつーか…杏奈びっくりするかもしれないけど……ルイ今さ、SEASONと風俗掛け持ちして働いてるんだ』



『えっ…ふ………』





本当に驚きと衝撃で、あたしは言葉が出てこなかった。



ルイが風俗…?


キャバクラと掛け持ち?




それって…

もしかして光輝の売上のために?





『光輝は…そのことについて何も思わなかったの?ルイがそんなことしてまで通うなんて…貢がせてるってことじゃん』


『……うん、そうだよな。でもぶっちゃけ別に何も思わなかったんだ。結局は売上が一番で…そんなこと考えてる余裕なんてなかったから。でもルイさ…SEASON今月末で辞めて風俗一本に絞るみたいなんだ』


『……――』





何なんだろう。


何でこんなに…胸がギューって痛くなるの?




不思議な感情が溢れてくる。



あんなにルイのこと大嫌いだったはずなのに…



なんだかすごく可哀相で…切なくなったんだ。




< 265 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop