傷跡
『でもこれだけは天に誓う。ルイとは形上は付き合ってたけど一切なにもなかったから。っつーか…杏奈びっくりするかもしれないけど……ルイ今さ、SEASONと風俗掛け持ちして働いてるんだ』
『えっ…ふ………』
本当に驚きと衝撃で、あたしは言葉が出てこなかった。
ルイが風俗…?
キャバクラと掛け持ち?
それって…
もしかして光輝の売上のために?
『光輝は…そのことについて何も思わなかったの?ルイがそんなことしてまで通うなんて…貢がせてるってことじゃん』
『……うん、そうだよな。でもぶっちゃけ別に何も思わなかったんだ。結局は売上が一番で…そんなこと考えてる余裕なんてなかったから。でもルイさ…SEASON今月末で辞めて風俗一本に絞るみたいなんだ』
『……――』
何なんだろう。
何でこんなに…胸がギューって痛くなるの?
不思議な感情が溢れてくる。
あんなにルイのこと大嫌いだったはずなのに…
なんだかすごく可哀相で…切なくなったんだ。