傷跡
『もう一回だけ…信じてほしい』
長い夜が明け、カーテンの隙間から朝日が差し込んだ頃、光輝はあたしに頭を下げて何度もそうつぶやいた。
初めて見るような悲しげな顔に、切なそうな小さな小さな声。
あたしの瞳に映る光輝は、なんだか壊れそうで。
許せないはずなのに…そんな姿はあたしの心を揺さぶっていく。
自分が悪いくせに…
そんなに悲しい顔しないでよ。
『分かった…』
結局は惚れた方の負け。
あたしは光輝の言葉に折れて、もう一度だけ信じることにした。
仲直りする道を選んだんだ。