傷跡
Ⅵ
感謝
でも…
頭と体が別々に動いていく。
携帯なんか見ちゃだめだ。
だめだよ。
いいことなんて絶対ないから……――
頭はそう伝えてくるのに。
体は…言うことを聞かなかった。
着信履歴はルイKという文字で30件全てが埋まっていて。
発信履歴にはKとつけられている女の子の名前がたくさん並んでいた。
あたしは光輝の携帯を勝手にチェックしていて。
発着信履歴を確認していた。
そして……
あたしの指は、メールチェックのための受信BOXへと動いていく。