傷跡
信じること
でも、あの日からあたしは変わってしまった。
光輝を縛るようになっていった。
不安で苦しくて。
光輝を縛ることで安心するようになって。
バイト中も暇を見つけてはトイレに行き、朝も昼も夜も電話をかけた。
光輝はあの時以来、あたしが余計な心配をしないように寝ていても絶対に優しい声で電話に出てくれた。
あたしなにやってるんだろ…。
電話を切る度にいつも思った。
きっと今のあたしは、光輝にとって重い存在になってる。
それが分かってるのに…
気持ちのブレーキがきかなかった。
そうこうしてるうちにも、時間だけは過ぎていき、あたし達は付き合って10ヵ月目が過ぎた。
そんなある日、バイトが終わったあたしに、見知らぬ番号からの着信が入った。