傷跡
きっとルイは…
本気で光輝を好きなんだよね。
『ねぇ?ルイ…子供、いるんでしょ?』
『な、なに言ってんのよ、いるわけないでしょ!』
あたしの言葉に、慌てた口調でルイは事実を否定していた。
『何で自分で育てないの?あんたママでしょ?』
『だから知らないってば…』
『光輝も知ってるんだよ』
あたしがそう言うと、ルイはボロボロ涙を流しながらあたしにしがみつくように崩れ落ち、泣き声をあげていった。
『もうやめなよ…。ルイが大切にしなきゃいけないのは子供でしょ?男よりも自分のおなかを痛めた子供を守るのが当然なんじゃないの?』
『やだっ…ルイのこと…大事にするって…言っ…くれたも…ん。ル……っ……て………』
泣き声で声がかきけ消されていく。
『何で分からないの?育児放棄して自分は恋愛して?自分だけ幸せになりたいって?いい加減目覚ましなよ!』
『…っ……っ………』