傷跡
『じゃあ絶対光ちゃんよりカッコイイ彼氏見つけよう!』
『えーっそんな人いるかなぁ』
『全然いるし!』
あたし達はフフッと笑って笑顔でお互いの顔を見ていた。
こんなルイの顔…
久しぶりに見た気がする。
初めて会った頃の顔。
素直なルイの可愛い笑顔だった。
『これからどうするかは分からないけど…とりあえずキャバクラも風俗もやめて…仕事探してみるよ。人間死ぬ気でやれば何だってできるよね?』
『うん、できる。ルイならきっとできるはずだよ』
あたしがそう言うと、ルイはあたしに右手を伸ばしてきた。
だからあたしもルイに右手を伸ばして。
仲直りの握手をした。
長かった女の戦いが。
今やっと……終わった。