傷跡


『えっ?あ…もしかして光輝から何か聞いてるんですか?』



『うーん、まぁ聞いたとゆうか。最近光輝がちょっと元気なさそうに見えたから、俺から聞いてみたんだ。そしたら杏奈ちゃんと喧嘩ばっかりだって言ってたから。原因は仕事って言ってたしナンバーのプレッシャーかけてた俺にも責任あるかなぁと思って』


『そんな…ことないです。アースさんのせいとかじゃないです。ただあたしが…なんか光輝のこと信じられなくて…束縛するようになってしまって…』


『そっか。でもあいつ杏奈ちゃんと一緒に住むためとかって言ってさ。給料もほとんど貯めてるみたいだしすげー頑張ってるよ。多分今月ナンバー2になるんじゃないかな。来月には物件見に行くんですって張り切ってたし』




アースさんのそんな言葉を聞いたあたしは、なんだか恥ずかしくて情けなくなっていった。




光輝はあたしに嫌な想いばかりさせるって思ってた。



でも…
安心させたいっていう言葉に嘘はなかったんだ…。




ほんと…自分が情けなくて嫌になる。





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