傷跡
『家出したくなったらいつでもおいでよ』
『うん、ありがとう!』
そして翌日、真美に見送られながら、あたしは荷物を持って光輝が待つ家へと戻った。
ガチャ……
『ただいまぁー!』
『おかえりぃ』
リビングの扉を開けてあたしがそう言うと、光輝が可愛い声でそう返事をしてくれた。
ただいまって言ったら、おかえりって言ってくれる。
当たり前だけど…
そんな当たり前がすごく幸せに感じられた。
やっぱり光輝が一番。
ここがあたしの一番安心できる場所なんだ。