傷跡



『泣くなっつーの!お前ほんと泣き虫だよな。ほらっ、行くぞ』




光輝はそう言うと、優しくあたしの手を引きながら、車へと歩いていく。


あたしがいつも見てきた光輝の背中。



なんだかたくましくて。

なんだか弱くも見えた。



光輝は一人で色んなことを乗り越えてきたんだよね。


たくさんの辛さや涙を抱えて。


強さも弱さも…





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