傷跡




母親…?


お母さん?



ってことは…さっきの線香とお花って…

もしかして光輝のお母さんが供えてくれたものなんじゃないの?





『話さなくていいの?お母さん、お父さんのお墓参りに来てくれてたんじゃないの?』


『知らねーよ』




光輝は多分、信じられなかったんだと思う。


お父さんを捨てたお母さんが、富山からこの場所まで墓参りに来ていたことが。




『光輝が話したくないなら何も言わない。帰りたいならもう帰ろう。でもお母さん、わざわざ富山からここに来てるんじゃないの?』




< 317 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop