傷跡
母親…?
お母さん?
ってことは…さっきの線香とお花って…
もしかして光輝のお母さんが供えてくれたものなんじゃないの?
『話さなくていいの?お母さん、お父さんのお墓参りに来てくれてたんじゃないの?』
『知らねーよ』
光輝は多分、信じられなかったんだと思う。
お父さんを捨てたお母さんが、富山からこの場所まで墓参りに来ていたことが。
『光輝が話したくないなら何も言わない。帰りたいならもう帰ろう。でもお母さん、わざわざ富山からここに来てるんじゃないの?』