傷跡



付けているはずのない指輪があたしの左手の薬指にはまっていて。



しかも超キラキラしてて。



ライトに向けて右へ左へかざしてみると、綺麗に光輝いている。




そんなあたしの隣では、光輝が寝息を立てながら眠っていて。


なんだか無防備なそんな姿に、思わず頬へとキスをした。





なんだろ…


あたしの枕元には小さな紙袋も置いてあった。



紙袋を覗いてみると、中には指輪の箱やケースが入ってて。



そして…カードらしきものも一緒に入っていた。




HAPPY BIRTHDAY。


表にそう印刷されていたカードは、やっぱり…バースデーカードだった。





< 328 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop