傷跡
付けているはずのない指輪があたしの左手の薬指にはまっていて。
しかも超キラキラしてて。
ライトに向けて右へ左へかざしてみると、綺麗に光輝いている。
そんなあたしの隣では、光輝が寝息を立てながら眠っていて。
なんだか無防備なそんな姿に、思わず頬へとキスをした。
なんだろ…
あたしの枕元には小さな紙袋も置いてあった。
紙袋を覗いてみると、中には指輪の箱やケースが入ってて。
そして…カードらしきものも一緒に入っていた。
HAPPY BIRTHDAY。
表にそう印刷されていたカードは、やっぱり…バースデーカードだった。