傷跡
『アースさんめちゃくちゃいい人だよね。光輝が元気ないの心配してたし…あたしにも色々アドバイスしてくれたんだ。てゆーかごめんね。あたし自分のことばっかり考えて…光輝の重荷になってたよね』
そう言って謝ったあたしに、光輝は優しく頭をなでてくれた。
『やっぱりお前…超可愛い。俺ちょっと考えてんだ。お前を苦しめるぐらいならホスト辞めようかなって。でももうちょっとで一緒に住めるし頑張ってきて良かったよ』
そう言って、光輝はニッと優しく笑った。
この笑顔が…大好き。
好きで好きで…ほんと…どうしようもないや。
『杏奈も嬉しいっ』
あたしもそう言って笑うと、光輝は耳元で囁くように言ったんだ。
『もうすぐ毎日チューもできるし毎日杏奈のことギュッとできるな』
なんだか少し照れくさかったけど…
嬉しくてたまらなかった。
でも、店内の周りの女の子達の視線を感じる。
笑い合うあたし達をじーっと見ながら睨んでるようにも見えた。
光輝にはお客さんがたくさんいたし、あたしぐらいの若い女のお客さんもたくさんいた。
それだけじゃない。
クラブのママさんクラスの人もいたし、綺麗な大人っぽいお姉さんだっていっぱいいるようだった。