傷跡


でも、毎日ベロンベロンになって帰ってくる光輝を見ていると不安ばかりが募っていく。



同棲を始めて三ヵ月がたつ頃には食事を作って待っていても、潰れるまでお酒を飲んで帰ってくる光輝は



『ごめん食えない』




毎日そう言うようになっていった。



そんな日々が続くと食事を作って待っていることがだんだんバカらしくなっていった。



あたしの悪いクセ。


イライラして自分のことばかりを考えるようになっていく。




ナンバーワンになった光輝は毎月の給料も半端じゃないぐらい持って帰ってきてくれたけど、その分少しずつ変わっていくのが分かるから。



このままで大丈夫なのかな?


あたしは毎日そんなことばかりを考えるようになっていった。



でもそのたびに…


信じること。



アースさんに言われたあの時の言葉を思い出していた。



ダメ。


あたしが光輝の一番の味方で理解者でいなきゃ…


そう思うようにした。





ちょうどその頃、あたしは光輝に言われてショップのバイトもやめることになり、毎日家にいるだけの日々。




光輝のいない夜はたまに暇を見つけては友達と遊んだりするだけの毎日だった。



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