傷跡


そして…


付き合って二年目の日、



光輝は家には帰ってこなかった。






二年目の記念日。



ずっと一人ぼっちで待ってた。



去年の同じ日は、この部屋であんなに幸せに満ち溢れてたのに…。




苦しかった。

寂しかった。



変わらないと思っていたあたし達が…

こんなにも変わってしまうなんて。





本当は今日、ちゃんと話をするつもりだったんだ。


二年目の記念日だから。



もう一度お互いの気持ちをちゃんと確かめ合いたくて…


何を話そうか、どう言えば喧嘩にならずにすむのかって。



一生懸命考えてた。



今なら間に合うって。



まだ光輝を元の光輝に戻せるかもしれないって。




本気でそう思ってたから。




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