傷跡
『いちいちうるせーんだよ!しゃしゃんじゃねーよ腐れホステスが!お前もさっさと帰れ!』
光輝は何故かその女に大声で怒鳴ると、ベッドから突き飛ばして下に落としていた。
『訳わかんないだけど!もういい!バカ!』
突き落とされて驚いていた女は、光輝に向かって吐き捨てるようにそう言うと、バタバタと逃げるように部屋から出て行った。
『お前も出て行け』
かすれた声で、光輝はあたしにもそう言った。
こんな光輝…
光輝なんかじゃない。
だって…
酔っているからとかじゃない。
目に…光がなくなってしまってる。
まるで心を持たない人形のように。
冷たい…残酷な目をしていた。
『早く出て行けよ』
そしてその瞳で再度あたしを見つめてそう言うと、何も言わずにベッドに入り、何も言わずに寝てしまった。