傷跡
あなたの居場所
光輝と離れてから一週間がたった。
あたしは毎日何もせずに、毎日友達と遊んだり、家でごろごろする日々。
光輝からはあれ以来電話もなかったし、あたしからかけることもしなかった。
頭の中にはいつも光輝がいたけど…
あたしも少し意地になっていたのかもしれない。
また戻っても…
同じことの繰り返しになるって。
でもそんなことをぼんやりと考えていた時、久しぶりに携帯にアースさんからの着信が入った。
『はいっ』
『もしもし杏奈ちゃん?急にごめんね』
『どうしたんですか?』
『今光輝と一緒?』
『え?いえ…一緒じゃないです。っていうか…あたし達もう別れたんです。でもあの、どうかしたんですか?』
『いや、じゃあ…いいや。分かった。急にごめんね』
あたしは何か嫌な予感がした。
お店の経営者の幹部のアースさんが…
あたしに電話をしてくるなんておかしい。
『何があったんですか?』
『うーん…』
『教えて下さい、お願いします…』
『いや・・・実は光輝がいなくなっちゃったんだ。ちょうど一週間ぐらいになるかなぁ?無断欠勤だし家に行ってもいないみたいだし』
『一週間ですか?』
『うん…。携帯もずっと即ルスで繋がんないし。まぁもし連絡取れたら俺にすぐ連絡くれるように言っといてくれるかな?事故とか病気だったら心配だからさ』