傷跡
『何で謝るの?』
『いや……勝手に会いに来て…ごめん』
そしてまた、小さな声で呟いた。
あたしに…
会いに来てくれたの?
なんだかホッとして、力が抜けていくような気がした。
光輝が無事でいてくれて、
ちゃんとあたしの目の前にいる。
なんかそれだけで…救われた気がしたから。
ヒューッ…
冬の冷たい風が、あたし達の間を通り抜けていく。
『今誰も家にいないからとりあえず入って。外、寒かったでしょ?』
立ち尽くしたままの光輝にそう言うと、あたしは家の中へと招き入れた。