傷跡
小さい頃からお父さんの大きな背中を見て憧れ続けた光輝。
一緒に遊ぶ時間がなくても
仕事で一生懸命な姿を見て、いつかああなりたいと目標にしていた光輝。
やっと…
やっと共有できる時間ができたって嬉しかったはずなのに…。
自ら命を断った光輝のお父さんは、
強すぎて…
弱すぎて…
優し過ぎたのかもしれない。
光輝のことが大好きだったから…
だから光輝に嫌な思いをさせてしまったように感じた自分が許せなかったんだ…。
金策に走り回って頭を下げたり、プライドを捨てて仕事を頼みに行くことはできても、
子供には不憫な思いをさせたくないって思ったのかな…。
でもそれで命を絶ってしまったのだとさたら…
本当に悲しいことだよね。
大切な人のことを思ってしたことが…
大切な人を今でもこんなに苦しめてしまうことになっているんだから。