最初で最後のキス〜短編
「ねぇ、あなたは本当にいつでもここにいるねっ。授業とか出てないの?」
「ん?出てるよ。オレさ、おまえが来る時わかるんだよ」
目を細めてニヤリと笑う。
「え〜?」
「なんか、『屋上に行かなきゃ』って急に頭に浮かんでくるんだ」
「そんなの嘘でしょう」
私は笑って男の子の方を見る。
「嘘ついてる顔に見える?」
ドキッ…
あなたはいつもずるいよ。
そんな真っ直ぐな瞳で私を見るなんて…。