最初で最後のキス〜短編





「ねぇ、あなたは本当にいつでもここにいるねっ。授業とか出てないの?」


「ん?出てるよ。オレさ、おまえが来る時わかるんだよ」


目を細めてニヤリと笑う。



「え〜?」


「なんか、『屋上に行かなきゃ』って急に頭に浮かんでくるんだ」



「そんなの嘘でしょう」


私は笑って男の子の方を見る。



「嘘ついてる顔に見える?」



ドキッ…




あなたはいつもずるいよ。



そんな真っ直ぐな瞳で私を見るなんて…。







< 11 / 86 >

この作品をシェア

pagetop